大岩草子


もう金曜か。
もう4月か。
もう…

流れ去った時間は二度とかえってこないんだ。
前を向いて歩いて行くしかないのう。


寒いし雨いし気も滅入って無駄に尖る。
平常心平常心。

気を静めようといつもの店に行くも、満員御礼。
意識の高いポエムを綴ってみようと思った。
いつものやつです。


おわる。

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大岩草子(ver. 0.8)


春は大岩。やうやうどろくなりゆく特鳥、腹にもたれて、
ちぢれだちたる麺の太くたなびきたる。


夏は大岩。昼のころはさらなり、夜もなほ、
客のおほく飛びちがひたる。また、ただ一人二人など、
ソロで行くもをかし。 親子で行くもをかし。


秋は大岩。夕日のさして、空腹いと近うなりたるに、
大岩へ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど飛び急ぐさへあはれなり。
まいてラーメンデブなどのつらねたるが、肥えて太るはいとをかし。
注文の声、湯切りの声、お会計の声など、はたいふべきにあらず。


冬は大岩。豚脂の降りたるはいふべきにもあらず、
白米のいと白きも、またさらでもいと混みしに、替え玉など
急ぎおこして、 汁が冷めるもいとつきづきし。 後半になりて、
米をもさいごまでもていけば、おなかゆるみがちになりてわろし。